政治史の成立は19世紀のドイツに遡ると言われている。当時のドイツでは統一国家樹立の動きが盛んになり、国家及び権力関係の研究に関する研究が積極的に行われた。その中でもレオポルト・フォン・ランケは、国家は個性的な生命原理を持つとともに個人や民族と緊密に結び合っていると考え、厳密な史料検証の上に宗教改革以後の各国の国家及び国民に主眼を置いた世界史の著作を著した。後世の政治史学は彼の研究手法を模範としたため、彼は近代歴史学の祖であるとともに政治史学の祖と考えられている。ランケの次にヨハン・グスタフ・ドロイゼンやハインリッヒ・フォン・トライチケ、ハインリヒ・フォン・ジーベルが現れてドイツ政治史の黄金時代を築いた。
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トライチケは「国家は力なり」とする国家論の観念からオットー・フォン・ビスマルクの統一政策やその後の対イギリス強硬政策を支持した。また、ランケの客観主義を批判したジーベルも小ドイツ主義の立場から中央党批判を唱えるなど、政治家や評論家としても影響を与えた。その後を受けたハンス・デルブリュックやフリードリヒ・マイネッケらによって史料批判の厳密さが追及して政治史の専門科学化に貢献したが、その一方で歴史学の細分化を招き、斜陽の時代を迎える。マイネッケは現実を可視的事実のみならず、背後には理想追求などの精神的な要素を欠かせないと考え、国家生活における政治権力の研究を深めて政治史研究の再興に努めた。